毎月のお給料から天引きされる年金保険料。これは老後において毎年定期的・継続的にお金の給付が受けられる仕組みですが、現在働きながらこの年金保険料を納めている現役世代の方たちは、将来に対する不安を抱えています。
年金制度の仕組みとして、年金保険料を納めている現役世代が現在給付を受けている受給者の年金給付を支えるという形になっています。つまり少子高齢化が進んでいくと、年金給付を支える労働力・保険料がだんだんと少なくなっていき、給付を受ける受給者がどんどん増えていくというアンバランスな状態になりかねません。この流れは「胴上げ型」から「肩車型」という表現もされており、将来的に年金が足りなくなる、という懸念は若い世代の間で広がっています。
年金は払い損である、という声も聞かれます。これは現在支払っている年金保険料が自分の将来もらう年金となる、という前提であれば、「納めた金額>もらえる金額」となった時に払い損であるといえるでしょう。しかし仕組みとしては前述した通り「今支払っている年金保険料は現在の受給者の年金給付を支えるものである」と考えると損得の概念は発生しません。とはいえ実際に支払っている若い世代の人たちからすると、毎月給与から引かれる年金保険料が将来返ってこないのであれば、損であるという感覚になるでしょう。
老齢年金は原則として65歳から受け取ることが可能です。しかし受給時期を早めて受け取る「繰り上げ受給」や受給時期を遅らせる「繰り下げ受給」といった制度があり、貯蓄状況ら就労状況、ライフスタイルなどを勘案して決定することになるでしょう。繰り上げ受給の場合には60歳から受け取ることが可能ですが、繰り上げ時期に応じて受け取れる人金額が減る仕組みとなっているため、繰り上げをしない人に比べると受給できる年金額が減る形となります。
年金がいくら受け取れるか、については加入期間などの状況によって一人一人異なるため、一概に「これくらい受け取れる」という基準はありません。一例としては令和3年における老齢基礎年金の満額が年間780,900円となっており、月額にすると65,075円です。この満額は原則20歳から60歳になるまでの40年間の保険料を全て納めた人が65歳から受け取る金額です。ご自身の年金見積り額に関しては、毎年誕生月に「ねんきん定期便」が日本年金機構から送付されますので、そちらを確認しましょう。
基本的には働きながらでも年金を受給することは可能ですが、収入が一定の基準を上回ると老齢厚生年金の一部もしくは全部が支給停止される可能性があります。ただし、この制度は老齢厚生年金に適用されるものですので、老齢基礎年金には影響がありません。もし支給停止になってしまった場合、年金は遡ってもらうことができません。したがって働きながら年金をもらおうと考えている方は制度を良く知ったうえでシミュレーションを行うことをおすすめします。
毎月の生活費の柱になるのは公的年金であると想定されますが、リタイア後の生活においてはさまざまな臨時出費が起こり得ます。そうなると年金だけでは賄うことが難しくなるため、年金以外にも貯蓄や投資などを準備しておくようにしましょう。最近では積立NISAやイデコなどといった税制上のメリットを受けられるものが多く登場しています。元気に働くことができるうちに老後の準備は進めておきましょう。
年金についての仕組みを理解し、毎年届く「ねんきん定期便」で自分の状況を確認することができると、老後資金に向けていくら準備する必要があるのかという検討を行うことができるようになります。受給時期についてもこのページで解説しましたが、自分が何歳まで働けるかによって受給時期を変えるというのも一つの方法として挙げられます。年金はあてにならないと悲観的になるのではなく、もらえる時期と金額を認識したうえで人生設計を考えていきましょう。
お金の計算や管理には得手不得手がありますが、誰もが生活をするうえでは必要になるものです。将来について考えたいけどよくわからない・・・という方は、FPなどの専門家に相談するという方法もおすすめします。